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膝関節とその周囲におけるスノーボード外傷
スノーボードの滑走中に転倒などをして怪我をした際、痛めた部位にかかる外力は、通常のスポーツで発生する怪我よりも相当大きなものとなります。

ゲレンデの斜面を滑る上で、滑走者自身の意志による身体運動(重心移動・体軸移動等)に 伴って発生する外力と斜面をある程度の速度で滑降することによって発生する、意志とは無関係な外力≪スピード・重力やギア(板やブーツの重さによる下肢への牽引力)≫が合わさって、外傷発生のエネルギーとなります。

こういったことから、怪我した当人が考えるよりも強い損傷を引き起こしていることが少なくない、と言えるでしょう(これは、膝だけに限らず、スノーボードでの怪我全般に言えると思います)。

スノーボードでの膝の怪我と言って真っ先に思いつくのは、転倒時の膝の打撲でしょう。 これは誰でも多少なりとも経験があると思います。 しかし、転倒で膝を強打しただけでも、打ち所が悪いと膝の靭帯(主に後十字靭帯)を損傷してしまう可能性があります。 条件が悪ければ、膝周辺の骨の骨折(膝蓋骨等)を起こす場合もあります。 また、そういった損傷は無くても、関節内水腫(関節の中に水がたまる事)が発生する場合もあります。

次に思い浮かぶのは、キッカーやテーブル等を飛んだ後、着地で失敗してしまい…
膝を伸ばしたまま、衝撃を吸収できない状態で着地してしまう。
着地の際バランスをくずし、膝を雪面に強打する。
大ゴケして数メートル単位で転がってしまった際に膝がねじれてしまう。
など、その際の強い衝撃が原因で膝を痛めてしまうことも少なくないと思います。 この場合も、膝の関節軟骨や靭帯、半月板などを痛めることがあります。

こういう怪我の場合は徒手検査(ドクター自身の手で患部にストレスを加えるなどして、どの部位を損傷しているのかを調べる事)や精密検査などをしても、特に際立った損傷が見つからない場合もあります。 そういった場合でも、強い衝撃による膝全体へのダメージが大きいためか、非常に痛みが強く、自力での歩行が困難になるような場合もあります。

あとは繰り返しの外力・衝撃によって起こる、いわゆる「使いすぎ・疲労」が元になって出現する痛みというようなものもあります。 膝関節の周辺には多くの筋肉・腱が付着していますが、フリーランの際の膝の連続した屈伸運動や、繰り返しキッカーを飛んだ際の着地の衝撃などで、それらの筋肉や腱に絶えずテンションがかかった状態になると、それらが付着した部分に炎症が起き、痛みとなってしまう場合を指します。

痛みの出る場所は膝の内側であったり外側であったり、膝蓋骨の下側であったりと原因となる筋肉・腱によって、様々な部位に出現します。

他にもまだまだスノーボードでの膝の怪我の原因というのは(ゲレンデでの衝突事故など)あるかとは思いますが、大体上記のようなことがきっかけとなり、膝の痛みが出現するのでは…と考えられます。 足関節捻挫の項目でも説明しましたが、これらの鑑別診断には専門医の精査・診断が不可欠です。

先ほど書いたことと重複しますが、スノーボードでの怪我は通常の外傷発生時のエネルギーをはるかに大きく超えた状態で発生しますので、損傷程度が強い可能性が高いです。 また、膝の構造は非常に複雑です。 膝を一度痛めてしまうと、場合によっては一生涯付き合っていかなければならないウィークポイントになってしまうことが少なくないのも事実です。

受傷後、ゲレンデで動けなくなってしまった場合はもとより、歩行時・膝の屈伸時に痛みが出る場合は、できるだけ早めに専門医を受診することをお勧めします。

受傷後の応急処置的なことは、足関節捻挫の項目(RICE処置)を参照してください。 膝の痛みに対する治療・施術は、かかりつけの専門医にお任せすることにして、次はリハビリテーションと競技復帰に向けてのお話をしていきたいと思います。

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